後日談 - Football Manager シリーズへ (その1)

時は過ぎ、次バージョンであるCM4がリリースされた。これは初の2Dピッチ表示を実現したことで知られている。
日本語版も出ているが、これにはCM01/02の日本語化スタッフはタッチしていない。
CM01/02の日本語化のときはSports Interactiveは関与していなかった。今作からはSI自身がスタッフを集めて日本語化をした模様。
CM01/02のテキストは一部を残してほぼ一新されていた。つまりまた一から翻訳しなおしたわけだ。しかし、誰が訳したのか知らないが、やはり日本語が不自然。

このバージョンからゲーム中の文字列はLTFファイルというテキストファイルに分離され、ユーザが改変できるようになった。(実はCM3もlanguage.ldbというバイナリファイルに言語データが入っていたが、編集できるツールがなかった)
このデータはバージョンを重ねるごとに拡張され、最後の日本語版であるFM2008まで引き継がれることになる。
続くCM03/04で変な日本語を自力で直したりしていたが、だんだんと興味が薄れ、しばらくこのゲームから離れる期間が続いた。


しばらくして、Sports InteractiveがSEGAの傘下に入り、CMをFootball Managerという新たな名前で出していることを知った。
とりあえずFM2005のデモ版を触ってみたが、やはり日本語が…。あえてきつい言い方をするが、ゲームの内容やサッカーを理解していない人が訳した感じがする。もちろん趣味でやるのと違って期限のある仕事だから、そこには割り切るしかない事情があったのだろうとは思うが。
CM01/02をプレイしてくれた人も当時似たような感想を持ったのだろうか。
このゲームの日本語版は翻訳が変という悪しき伝統はなぜこんなにも続くのか。

さらにFM2006、FM2007と買ってみたものの、相変わらずの不自然な日本語にげんなり。ゲーム自体は面白いので、英語表示でしばらくプレイしていたが、いっそのこと納得いく日本語版を自分の手で作ってしまおうという欲求にかられ、翻訳作業に着手する。
だがしかし、量がものすごい。CM01/02の3倍近くある。さすがに途中でいやになって放り出したり、他のことが忙しくて手が回らずといった期間が半年以上はあった。そして2009年5月、やっと完了。放置期間を含めると、結局2年近くかかったんじゃないだろうか。
実際に翻訳を完了してみて、短期間の翻訳では製品版に見られるクオリティが限界なのかもしれないとも感じた。

納得するまで翻訳をつめたこともあって、そこそこの自信はあった。今回はなにしろ何のしがらみもないわけで、好き勝手なことができた。出来上がりを見てちょっとかっこいいんじゃね? などとニヤニヤしながらイングランドの最下層ディビジョンで遊んだりした。

だがすでにこのとき、世の中にはFM2008どころか2009も出回っていた。トレンドの中心は最新バージョンに移るのが常なので、今さらこんなデータ公開しても見向きもされないだろう。


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